近年でも毎日のように報道されていますが、親による子供への虐待など痛ましいニュースが報道されています。虐待というのは体罰的な虐待のほか、子育て放棄なども含まれます。
それらをネグレストと呼んでいるのですが、実は高齢者や障がい者(障がい児)に対しても問題になっています。
ネグレクト(英: neglect)は、セルフケアができない弱者の世話をする責任がある保護者が責務を怠たることによって加害者となる行為。 児童虐待、障害者虐待、高齢者虐待、患者虐待のひとつ。
『ウィキペディア(Wikipedia)』
私たち介護事業所として高齢者や障がい者(以下、利用者)の身体介助や生活援助のサービスに入るのですが、それと同時に生活環境の中で虐待などが起きていないか?などを監視する意味で見守っています。
もし利用者に異変(身体に不思議なアザがある、ケガをしている、痛がっている、居室が荒らされている、お金がない等)があれば、事業所へ連絡をして各関係機関(地域包括、役所など)に通報連絡をする義務があります。
その中で、ネグレストは家族や近親者からだけではなく、事業者からのネグレストもあるのではないか?という疑問があるため、事例を踏まえて書きたいと思います。
事例 姉弟での老老介護
姉:ベッド上で過ごしているがポータブルでの排泄はできる
弟:食品や消耗品の買い出しや食事提供など姉の介護をしている
二人とも軽度(短期記憶)の認知症があるが生活には訪問介護などのサポートで生活できるレベルと思われる。
当社に依頼(訪問介護)があるまでは、訪問看護(大手総合病院の訪看)と訪問介護(全国展開規模の大手訪問介護)が入っていたが、弟さんの「物取られ妄想」などで強い拒否感がありサービスに当たれない状況で当社に依頼があった。
(サービス参入当初)
サービスに入ってみて最初に衝撃を受けたのが、ポータブルトイレが溢れそうになっていた。3回ほど入って分かった事はもう一つの訪問介護事業所のサービスの際にはポータブルの掃除を行なっていないという事が状況で理解できました。また週2回ほど訪看も入っているのに見ても見ぬふり状態。その訪看事業所の考え方としてポータブルの掃除は医療の仕事ではないとしているなら仕方ないとしても、それはケアマネなどに報告はするべきであろう。
次にヘルパーが冷蔵庫を触らせてもらえないということ。
当社で入った時も、その辺を気を付けていましたが、コミュニケーションが取りながら食材の確認や賞味期限のチェックで古いものは廃棄など、キチンと説明すれば理解し応じてくれました。
食材やオムツや消耗品なども弟さんに依頼すれば、買物にも行ってくれます。認知症がある為、間違った物を買ってきてしまう事もしばしばありましたが、まあその辺はヘルパーでフォローする程度で生活するには困らない程度。
(数か月後)
当社のヘルパーに対しての拒否などは一切なく、気づけば週5日が当社。他社訪問介護は1日でした。
(とある日)
訪看事業所の管理者より電話があり、「日頃のサービスでの状況や食事環境など」いろいろな質問があり、回答として「弟さんの協力も含めて、やっと成り立ってきた状況で今後の生活にも特に支障はない」と言いました。
(地域包括より招集の担当者会議)
包括から招集がかかり会議に参加したところ、2日後にはロングショートを利用しながら入所する方向。弟さんに関しても入院もしくは入所の方向で話が決まったという内容の単なる報告会でした。
訪看に関しても、他社訪問介護の関しても単に自分らが対応出来なかっただけの案件を弟さんからお姉さんに対するネグレストだと悪者扱いにした結果となった訳です。
包括の担当者も短期間で入所にこぎつけたのは私たちの功績ですみたいな主張ですし、難事例としての案件が欲しかったのかなぁ…
(疑問)
なんで順調に入れている事業所の話しはスルーして、自分らで入り込めない事業所が声高々に主張しているのか?まったくもって不思議であり、それが事業所的なネグレストではないかと思うのです。
はっきり言って自己満足です
私は常々思うのですが、
・対応困難な事業所は自ら撤退をする勇気を持ちましょう
・自分らが対応できない理由を家族のせいにするのはやめましょう
・管理者は担当者の話しだけ聞くのはやめましょう
ある程度、困難もあるが介護サービスを利用しながら幸せに一生懸命過ごしていたのを何も知らない外部事業者が姉弟の人生を本人達の意思も聞かずに変えてしまう。こわい話しです。
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