また訪問介護上事業所の管理者さんからの相談がありましたので、個別に対応させて頂きましたが、同じような悩みを持つ方もいるかも知れませんのでシェアしたいと思います。
訪問介護事業所の管理者をしていますが、従業員が裁判員制度の選任通知が届いたとの相談がありました。本人は出来ることなら辞退したいと考えています。この場合、会社としてどのような対応をしたら良いでしょうか?
裁判員制度ができてから結構な年数が経ちますが、なかなか確率的には選任通知など届きませんが、確率ですので自分の状況が最悪な状況で届くこともあるでしょうね。参加したくても出来ない状況などもあるでしょう。
そんな中で、私からの私見としてお伝えしたいと思います。
裁判員制度の選任通知を受け取った従業員が辞退を希望する場合、会社として適切な対応を取ることは重要です。以下の手順に基づいて対応すると良いでしょう。
- 従業員からの相談を受ける
従業員が辞退を希望している理由をしっかりと確認します。辞退理由には、法令で認められる正当な事由が必要です。具体的には以下のようなものがあります:
業務上の支障(特に訪問介護のように人手が限られる場合)
健康上の理由
家族の介護や子育てなどの家庭事情
その他やむを得ない事情
- 会社としての影響を整理
訪問介護事業所は利用者へのサービスを止めることが難しいため、従業員の欠勤が事業に与える影響を具体的に把握し、それを裁判所に説明できるように準備します。 - 辞退申請書の作成支援
従業員が裁判員辞退を申し出る場合、裁判所に「辞退申立書」を提出する必要があります。この際、会社として以下のような書類を準備するとスムーズです。
会社の意見書:業務に支障が出ることを説明した文書。具体的な内容(従業員がいない場合の影響や利用者の安全確保が困難になること)を記載します。
勤務証明書:従業員が実際にその事業所で働いていることを証明する書類。
- 従業員への配慮
辞退申請が裁判所に認められるかどうかは個別の判断によります。認められない場合、裁判員としての参加は法的義務となるため、従業員が安心して対応できるよう休日付与などのサポートを提供します。 - 裁判所への連絡方法の確認
選任通知書に記載されている裁判所の連絡先に相談し、必要な手続きや書類について指示を仰ぎます。 - 社内体制の見直し
裁判員制度への対応が必要になった場合に備えて、業務のカバー体制を検討し、他の従業員への負担が最小限になるような仕組みを整備することも必要と考えます。
注意点
従業員に対して辞退を強制することは適切ではありません。また、裁判所の判断に従う必要があるため、冷静に対応しましょう。
ただ間違ってはいけないのは
裁判員制度は、国民が司法に参加し、市民の感覚を裁判に反映させることを目的とした制度です。2009年に日本で導入され、殺人や強盗致死傷などの重大な刑事事件で、無作為に選ばれた裁判員が裁判官とともに判決に関与します。
重要性
1.市民の視点を取り入れる
専門家である裁判官だけでなく、一般市民の視点を反映させることで、社会常識や感覚を裁判に取り入れる役割を果たします。
2.司法への信頼向上
国民が裁判に直接参加することで、司法の透明性が高まり、社会全体の司法への信頼が深まります。
3.民主主義の実現
国民が司法プロセスに関与することは、民主主義社会における「国民による統治」の一環と位置付けられます。
裁判員制度は、司法が社会の現実に即した公正な判断を行うための重要な仕組みです。また、市民が制度を体験することで、法律や司法制度への理解を深める機会にもなります。
なので、単にめんどくさいとか、忙しいとかという理由だけではなく、当事者本人からキチンとした辞退の理由を聞き、正当性があれば企業としては辞退の申請書を提出すれば良いと思います。
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