とある訪問介護の事業所さんからこんな相談がありました。
以前に従業員間でトラブルがあり、その後その片方が事務所に盗聴器を仕掛けているという情報があるのですが、そういう場合には管理者としてどのような対処が必要でしょうか?
なかなか無い事柄とは思いますが、私からの私見としてアドバイスしたいと思います。
懸念点
・法的リスク
盗聴行為は日本の法律(電波法やプライバシー保護法)に違反する可能性があり、従業員だけでなく、会社も適切な対応を怠ると責任を問われる恐れがあります。
・職場環境の悪化
従業員間の信頼が損なわれ、働きづらい環境が生まれる可能性があります。モラルやチームワークに深刻な影響を与えることが懸念されます。
・機密情報や個人情報の漏洩
業務上の機密情報や個人情報が外部に漏れるリスクがあり、会社の信用や顧客の信頼を損ねる可能性があります。
・精神的ストレス
他の従業員が「監視されている」という心理的プレッシャーを受けることで、業務に集中できなくなることが懸念されます。
対応策
- 事実確認と証拠収集
まず盗聴器が本当に設置されているか確認します。
専門の盗聴器発見業者に依頼して、事務所を調査します。
従業員のプライバシーを侵害しない範囲で、事務所内の目視チェックも行います。
証拠が発見された場合は、その設置者を特定するために必要な記録を保存します。 - 社内での問題の明確化
管理者間で問題を共有し、会社としての方針を統一します。
従業員への説明や対応の方法について慎重に検討します。 - 法的措置の検討
盗聴器の設置が確認され、特定の従業員が関与している場合は、顧問弁護士に相談します。
必要に応じて警察に通報し、法的手続きを進めます。 - 職場環境の改善
今後の再発防止策を講じます。
セキュリティカメラの設置や事務所の入退室管理を強化します。
従業員に対し、プライバシーや法令遵守についての研修を実施します。
従業員の不満や懸念について、面談やアンケートを通じて聞き取り、背景にある問題があれば改善します。 - コミュニケーションの透明化
従業員全員に対し、今回の問題の概要(個人の特定を避けた形で)と会社の対応方針を説明します。
信頼関係を再構築するため、相談窓口を設置し、意見や問題点を共有しやすい環境を整えます。
注意点
迅速かつ慎重な対応が求められます。対応が遅れると事態が拡大するリスクがあります。
特定の従業員に対する処分を検討する場合は、法律に基づき適切な手続きを踏む必要があります。
従業員全体の士気を損なわないよう、プライバシーと公平性に十分配慮してください。
最後に
途中でも書きましたが、これは企業としての信頼を損なう事象であり、企業内での懲戒解雇とか懲戒処分で対処する事ではなく、とても悪質である行為に関して刑事事件として通報するレベルなのです。
ただそれには、密かに事実確認を行ない証拠をつかむ必要があります。
またそれが単独ではなく、数人で行なっていたとしたら、企業としてはかなりのダメージになります。
ただ、それを放置しては絶対にいけません!放置すれば、まともな意識をもったスタッフが消えていくからです。
もし貴方が1事業所の管理者であるなら、企業を巻き込んで対処する案件になりますので、必ず経営者や上層部に早急に相談することを提案します。
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