訪問介護事業所を開業するにあたり指定(認可)を取らなくてはいけません。
また指定を取るには法的要件がありますので、それらの条件を満たしていなければ指定を取ることはできなくなります。
もし仮に資金に余裕があり行政書士などを利用するのであれば、いろいろと教えてくれるとは思いますが、実際のところ自分で書類を作り役所へ申請にいけば足りない要件や書類などは担当が教えてくれますので根気強くやれば専門の業者さんを使わなくてもできます。ただ極端に時間がないとかの場合、業者さんを頼るのも一つだとは思います。
事業所開業の法的要件
この4点を満たすことが必要になりますが、今まで関わってこなかった人は理解するのが大変ですよね。
この4点に関して、この記事では簡単に説明します。
法人であること
介護保険等の訪問介護事業所を開業する為には「株式会社」や「有限会社」「合同会社」等の法人格でないといけませんので、個人事業主などでは開業ができません。
また資本金1万円などで株式会社は設立できますが、キチンと介護の事業をやっていけるという信用性の部分で指定が取れない可能性もありますので最低でも資本金は300万円は用意したいところです。
どっちみち人件費や家賃、光熱費、パソコンやコピー機など初期資金はかかりますので、資本金1万円という会社に指定を認めるか?と言われれば現実問題として「大丈夫?」と思われても仕方ありません。
人員基準を満たしていること
訪問介護事業所での職種は大きく別けて下記の通りです。
上記3種類の職種で最低2.5人の「常勤換算」という人員が必要になります。
管理者
事業所の総責任者と言って良いと思います。
管理者はヘルパー資格は必要ではありません。
サービス提供責任者
サービスを提供するにあたり介護計画やモニタリング、シフトの調整などを責任を持って行ないます。
サービス提供責任者は「介護福祉士」が基本ですが、下記の要件を満たせば、サービス提供責任者になることができます。
(ヘルパー1級免許保有者)
またサービス提供責任者は利用者40人に対して1人の設置が必要なので、41人になった場合には2人が必要になります。
訪問介護員
簡単に言えば、介護職員初任者研修修了かホームヘルパー2級以上ヘルパー資格を所有している者です。
設備基準を満たしていること
細かい要件はあるのですが、2DK以上のアパートなどでも事務所として利用することはできます。
事務スペース
常勤職員など書類を作成したりするスペースです。
相談スペース
スタッフの相談を受けたり、利用者やご家族などが来社されるケースもあります。
その他、要件以外でも銀行の担当が来たり税務関係の話しがあったりと、あまりスタッフにも聞かせたくない話も出てくると思います。
また一戸建ての住宅に設立する場合は、住宅部分と事務所部分を明確に分ける必要が出てきます。
ドラマとかで良くあるシーンで子供が「ただいま~」って事務所や店舗を通り過ぎるというのは守秘義務上、問題が出てきますので注意が必要です。
手洗い場など
感染予防や清潔保持のため、必要になります。その他、アルコールなども含まれます。
その他・備品等
運営基準を満たしていること
今回の記事では詳しくは説明をしませんが、超簡単に言えば、契約書や重要事項説明書の説明、身分証の発行と携行の義務とか、サービス提供責任者が訪問介護計画書を作成し説明をしてサイン捺印を貰うとか…
運営するにあたり最低限の基準が明確になっています。
これを怠ると、違反となり返金や営業停止の処分になる可能性があります。
このように、開業をするにあたり、それほどハードルが高い感じでもありませんよね。
また訪問介護は介助サービスをする場所は利用者さんの自宅ですので、事務所は小さくても最低限の広さで大丈夫ですから初期投資が少なくて済むのも魅力の一つですよね。