介護業界の中で訪問介護という分野があります。
ここでは訪問介護事業所についてどんなサービスをするのか?を簡単に説明していきます。
訪問介護事業所とは
読んで字のごとく自宅で生活をして介護サービスを必要とする方へ、ヘルパーが訪問してサービスを行なう事業所の事をいいます。
訪問介護の雇用体系
正社員
主にフルタイムで雇用され、将来的には企業内の役職を与えられる正規雇用の人材です。
将来的にサービス提供責任者や管理者になり組織のリーダーとして期待されている立場になります。
常勤パート
主に企業内で定められた定時ではなく「8:30~17:00」や「10:00~16:00」のように自分の都合の合う時間帯でしか働けない方が多いですが、他には週3~4日しか出勤できない場合などはこの「常勤パート」という雇用形態になる場合があります。
このメリットとしては、シフトや仕事量(訪問件数)に関わらず時間での雇用になるので、時給1200円で7時間勤務という形になります。
またこの場合は、シフトで空いている場合は事務所での書類整理など事務作業や雑務をやる必要があります。
その分、仕事量に関係なく安定した収入を得ることができます。
登録パート
訪問介護の特有な雇用体系とも言えるのが「登録ヘルパー」です。
登録ヘルパーというのは、1件あたりの報酬単価で訪問した実績に伴なって報酬になります。
早く言ってしまえば「歩合給」の雇用体系になります。
ただ歩合給と言っても訪問販売のような何かを売らないと収入にならないというようなものでは無く事務所から与えられたシフト(サービス)でサービスを実施するので安定しない訳ではないということです。
登録ヘルパーのメリット
よくツイッターなどでも訪問介護は「移動中の賃金が保証されない」とか、「移動中に事故などがあっても労災が適応にならない」と勘違いをしている人がいますが、労災は適応になります。
移動中の賃金の考え方については事業所や企業での考え方がありますので一概には言えません。
ではメリットとは何でしょう?
報酬単価が高い
常勤パートの場合、時給1200円等で時間契約になりますが、登録ヘルパーの場合は1件あたりの内容で報酬単価が決まります。
例えば弊社の場合…
身体1(身体介護30分)が1200円/1件
身体2(身体介護60分)が1700円/1件
生活3(生活援助60分)が1400円/1件
というように仕事の内容で単価が変わります。
弊社でのシフト作りで気をつけているのが、効率です。
隣り合ったような住宅地で身体1サービスをやっていくと常勤パートより多く稼ぐことになります。
シフトが無い時間は自由時間
よくあるケースが、午前中のサービス終了して夕飯の買い出しと、ある程度の準備を終えて、午後のサービスに入り夕方まで訪問サービスを回る方も多いです。
また、お子さんの学校の用事を済ませたりママ友とランチ会をしているヘルパーさんもいます。
限りのある1日の時間の使い方が全く変わってきますので、登録ヘルパーという雇用形態を選ぶ方も少なくはありません。
ダブルワークも可能
訪問介護には必ず「登録ヘルパー」という雇用形態がありますので、複数の訪問介護事業所に登録して掛け持ちでうまく自分で自分のシフトを作って働いている方もいます。
ただこの時、ユニフォームが違ったりする場合がりますし、キチンとシフト管理をしないと間違えたりしますので注意は必要ですね。
私は掛け持ちはあまりお勧めしませんが…
登録ヘルパーのデメリット
パートとして訪問介護で働くには収入単価や自由時間の使い方などメリットもある登録ヘルパーですが、デメリットもあります。
担当していた利用者さんが入院してしまった
検査入院やちょっとした1カ月程度の入院などは、シフトが空くことになります。
ということは収入が減ります。
これに対する対処方法は…
日頃から事務所とやり取りをして、同じ曜日の同じ時間に入れるサービスを2件以上にしておくと、例えば入院したり、急きょ入所したりした場合にシフト変更が容易になり収入にダメージが少ないです。
天候などの影響で移動が大変
地域によっても異なりますが移動方法で自家用車、自転車、徒歩、交通機関といろいろあると思います。
地方であれば一軒一軒の距離が遠かったりしますし土地が広い分、駐車場に比較的困らないので車で移動するケースが多いと思います。
都内などの都市部になると電車やバスなどを乗り継いで訪問しているケースもあるそうです。
一番多いと思うのが、自転車かな?と思うのですが自転車の場合は雨などの影響をもろにくらいます。これについては仕方のない事ですので、覚悟が必要です。しっかりとしたカッパを買った方が良いです。
2019年は台風の大影響もありましたし、関東でも大雪が積もる時もあります。
そんな時は事業所から利用者様へ交渉をして最低限のシフトに調整をするはずですので、あまり心配はないかと思います。
大型台風や悪天候の際に何も調整をせずにスタッフへ危険をさせるような事業所であれば、早々に違う訪問介護事業所へ転職した方が良いかもしれません。
まとめ
どのような雇用形態を希望するかは、個人の考え次第です。
もしあなたが正社員ではなくパートとしての雇用を希望していて訪問介護をやってみようと思うのであれば、登録ヘルパーでも良いかもしれません。
パート勤務で時間制のパートの方が収入が安定しているようにも見えますが、実は登録ヘルパーの方が収入が多かった…ということもあります。空き時間も自由です。
ただ一つだけ守らないといけないルールがあります。
それは、「〇曜日の〇時~〇時の△△様へのサービスは〇〇さん」という、個別の担当制みたいなシフトになります。
ですので、いつ休むか分からないという方は、正直ちょっと困ってしまうのです。
突発的な子供の学校の用事や急病などであれば常勤社員が応援してくれると思いますが頻繁でランダムに休むと常勤社員のシフトが混乱し結果として休みが取れない状況に陥る事になります。
言ってみればこれは、どんな職種であれ、どんな雇用体系でも…ですよね。